2007年07月02日

一番の良いニュース

一日目
いつもの仕事を終え、いつものバーへ向かう一人のビジネスマン
路地でヒトリの女性と出会う。彼女は涙ながらに訴えてきた。
「子供が病気で手術に1万ドル必要なんです。
でも、私にはそんな大金を支払う余裕が無いのです。」
男性はその女性に見覚えは無かったものの
「僕は医者じゃないからその子を救うことは出来ない。
でも、せめて手術の成功を祈らせてくれないか?」
そういうと、1万ドルの小切手を女性に手渡しその場を後にした。
バーに着き、いつものカウンターで酒を飲んでいると
場違いな老人が薄ら笑いを浮かべつつ話しかけてきた。
「ようにーちゃん、とびきりの悪いニュースがあるのだが聞くかい?」
老人はこちらの返事を聞く前に続けた。
「あんたがさっき路地で女に声かけられただろ?」
「あの女…子どもなんていやしないぜ」
さすがに我慢できなくなった男は老人に問いかけた
「どういうことだ?」
老人はさらにいやらしい笑みを浮かべながら
「あんちゃんどうやら詐欺にあったみたいだな。騙されたんだよ」
男は安堵の表情を浮かべつつ老人に聞き返した。
「良かったじゃぁ病気の子供はいなかったんだね」
老人はヘンなものを見るような表情で返す
「まぁ、そういうことにはなるな」
男は更に続けてこういった
「えと、ごめん結局どういうこと?」
老人は思った
(ダメだこいつ…)

二日目
いつもの仕事を終え、いつものバーへ向かう一人のビジネスマン
路地でヒトリの女性と出会う。彼女は涙ながらに訴えてきた。
「子供が病気で手術に1万ドル必要なんです。
でも、私にはそんな大金を支払う余裕が無いのです。」
男性はその女性に見覚えが無い…のだろうか?
「僕は医者じゃないからその子を救うことは出来ない。
でも、せめて手術の成功を祈らせてくれないか?」
そういうと、1万ドルの小切手を女性に手渡しその場を後にした。
バーに着き、いつものカウンターで酒を飲んでいると
場違いな老人が薄ら笑いを浮かべつつ話しかけてきた。
「ようにーちゃん、とびきりの悪いニュースがあるのだが聞くかい?」
老人はこちらの返事を聞く前に続けた。
「あんたがさっき路地で女に声かけられただろ?」
すると男はこういった。
「それは何よりのグッドニュースだ」
…産まれて初めて、老人は強くなりたいと願った

三日目
いつもの仕事を終え、いつものバーへ向かう一人のビジネスマン
路地でヒトリの女性と出会う。彼女は涙ながらに訴えてきた。
「子供が病気で手術に1万ドル必要なんです。
でも、私にはそんな大金を支払う余裕が無いのです。」
男性はその女性に見覚えが無いはずは無いのだが
「僕は医者じゃないからその子を救うことは出来ない。
でも、せめて手術の成功を祈らせてくれないか?」
そういうと、1万ドルの小切手を女性に手渡しその場を後にした。
バーに着き、いつものカウンターで酒を飲んでいると
場違いな老人が薄ら笑いを浮かべつつ話しかけてきた。
「ようにーちゃん、とびきりの悪いニュースがあるのだが聞くかい?」
老人はこちらの返事を聞く前に続けた。
「あんたがさっき路地で女に声かけられただろ?」
「あの女…子どもなんていやしないぜ」
さすがに我慢できなくなった男は老人に問いかけた
「どういうことだ?」
老人はさらにいやらしい笑みを浮かべながら
「あんちゃんどうやら詐欺にあったみたいだな。騙されたんだよ」
男は老人に聞き返した。
「そもそも女ってなんのことだ?」
…いつもより朝焼けが目に染みた

四日目
いつものように女に小切手を渡しいつものバーへ
そしていつもの老人が
「あんちゃんどうやら詐欺にあったみたいだな。騙されたんだよ」
そういわれた男はこう答えた
「…詐…欺?だま…す??」
その夜老人は一人枕を濡らした・・・
ラベル:短編
posted by かんくう at 00:21| Comment(0) | TrackBack(0) | 短編 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。
※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

この記事へのトラックバック
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。