2007年06月24日

短編 真面目すぎるシェフ

とあるレストランのオーナーシェフは悩んでいた。

料理の腕は確かなのだが、どうにも客足が鈍い。

このままではいけない…そう思ったシェフは

若者に人気というレストランに偵察に行くことにした。

昼時ということもあり、店の前には行列ができるなど

ウワサどおりの大盛況。

中でも人気だったのは、日替わりサラダ

値段の割にはボリュームもありかつヘルシーだと大人気。

「よし、コレだ!」シェフは自分の店でも

日替わりサラダをメニューに加えることにした。



しかしシェフにもプライドがある。

同じアイデアで勝負する以上

平凡なサラダを出すわけにはいかない。

その日から店を休業し、研究に研究を重ね

ついに納得がいくサラダを作り上げることに成功した。

そして、営業再開の前日、友達や従業員を招待し

試食会を行うことにした。



「この7種類のサラダは私の料理人人生の

集大成ともいえるいわば作品である。

私にとってはすべてのサラダが最高傑作なのだが、

明日は大事な営業再開の初日、

絶対に失敗するわけにはいかない。」

シェフは続けた

「そこで、みんなに初日にふさわしいサラダを

選んでいただきたい」



試食をしてみるとさすが最高傑作と言わしめるだけあって、

どれも甲乙付けがたい程の仕上がり。

長い議論の末、7種類の中から魚貝を使った

シーフードサラダが選ばれた。



翌日、店頭のメニューが書かれた黒板のトップには

デカデカと「昨日のオススメサラダ」の文字が躍っていた。
ラベル:短編
posted by かんくう at 05:45| Comment(0) | TrackBack(0) | 短編 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。
※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

この記事へのトラックバック
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。